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【岩手県:南部鉄器】有限会社 及春鋳造所

南部鉄器


 800年の歴史を誇り、鉄器発祥の地として知られる岩手県奥州市水沢、その中で南部鉄瓶は産声を上げました。「私達の鉄器は、手作業によって作るから世界に一つだけの鉄器が出来ることだ」と及春の社長は豪語します。手作りだからこそ、一つの同じ型で作り上げても出来上がりはそれぞれ違い、鉄瓶一つを製造するのにも、2週間から1カ月もの時間がかかります。

 職人は気を張り、鉄瓶と真正面から向き合い、まさに逸品の名がふさわしい味のある南部鉄が出来あがります。職人の手によって繊細・丁寧に手をかけられた「鉄」には深い愛情と心血が注がれ、まさに可愛い子供そのもの。ぜひ職人の子供でもある鉄瓶を日々の生活の中でどんどん使い込んでいってください。味わいが増すとともに職人の愛情が伝わるはずです。

 

東北地方で製鉄が始まったのはおよそ7世紀後半と言われ、その後次第に南下して水沢に伝わったと語り継がれています。水沢の鉄器文化は栄華を極めた藤原三代の平泉文化とのかかわりが深く、信仰に厚い藤原清衡が、戦乱で倒れた兵士の霊を慰めるため中尊寺建立の悲願をたて、京都より招いた鋳物師に命じ多くの仏具を作らせた事に始まるといわれています。鋳物が水沢に栄えた理由には、北上川流域で良質の砂が取れたこと、北上川山地から鋳造に使われる砂鉄や粘土が出土したことがあげられます。

奥州藤原氏の滅亡以降は、日用品を細々と鋳造して日々の糧を得ていたようですが、ここから日常の雑器が作られるようになっていきます。

 

水沢に鋳物師が定住するようになったのは室町時代初期といわれています。江戸初期には地域に鋳物業が定着していくこととなります。1683年以降、鉄器は仙台藩の庇護を受け、鉄鍋、鉄釜を中心に、仏具なども生産し、幕末には大砲も鋳造したという記録もあります。

南部鉄器の特徴


現在さまざまな金属製品が氾濫する中で今なお鋳物鉄器が愛されるゆえんは、長い歴史につちかわれた、確かな職人の伝統技術と重厚な中にも漂う鉄の温もり、そして、鋳物製品がもつ数多くの利点があるからと考えます。鉄瓶の特長をいくつかご紹介します。

1: 冷めにくい

鉄は、熱を簡単に逃がさない性質をもっています。アルミなどに比べて保温性に優れています。

2: 安定感がある

熱々のお湯が煮えるなか、万が一ひっくりかえりでもしたらそれこそ一大事。

鉄瓶なら重さが適度な安定感となってしっかりと支えてくれます。

3: 鉄分補給ができる

人間の血が赤いのは、赤血球に鉄分が含まれているから。鉄分が不足すると赤血球がうまく働かず、細胞の活動がおさえられ、貧血などの症状となってあらわれます。鉄器は調理のとき、表面から鉄分が溶けだしています。イオンのかたちで少しずつ少しずつお湯に溶け込んでいるのです。このイオンの状態の鉄分は、人に対して吸収率がよいもので、日頃から鉄瓶で沸かしたお湯は、貧血予防に効果的であるという研究がされています。(※急須は、ホーロー仕上げ をしていますので鉄分は出ません。 鉄分補給には鉄瓶をおすすめします。)

4: 美味しい

雑味が取れてすっきり・まろやかな口当たりなのも鉄瓶で沸かしたお湯ならではの特徴。

お茶も珈琲も美味しいお湯でいれることにより、その味は一段と引き立ちます。

5: 丈夫で長持ち

熱で溶け出す温度を融点といいますが、鉄の融点は何と1000度を超えます。

そのため、うっかり空焚きにも耐え、錆に注意すれば一生使用できるほど丈夫です。