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棕櫚(しゅろ)製品の魅力


「棕櫚製品の魅力」タイトル画像

今日は日本のいいもの.jpでも長く愛される人気商品の棕櫚の「たわし」や「ほうき」。その魅力や生産背景を紹介したいと思います。

棕櫚(しゅろ)ってどんなもの?


棕櫚の木

棕櫚(しゅろ)という名前は聞きなれないかもしれませんが、常緑の木で比較的寒さにも強いため私たちの身の回りでもよく見かける身近な木の一つです。特徴的な葉と樹皮を見れば「見たことがある!」という方は多いのではないでしょうか。

 

棕櫚は耐水性や耐摩耗性、耐腐食性に優れているという特性から植物としてだけではなく、私たち日本人の生活に馴染みのある生活用品の材料としても使用されてきました。代表的な製品としては樹皮を使用した箒(ほうき)や束子(たわし)などです。また幹はお寺の鐘突き棒として鐘突き堂などに設置されたりもするそうです。

 

国内では生活用品の産地として知られている和歌山県で良質な棕櫚が広く栽培されてきましたが、50年前にピークを迎えて以降は後継者問題など様々な理由から衰退し始め、現在ではしっかりと管理された棕櫚畑ほとんど見られなくなってしまいました。

 

その後、ほうきやたわしはナイロン系の樹脂やシダ、パームなど棕櫚に代わる素材が一般的になり、次第に棕櫚でできたたわしに触れる機会が減っていきました。

棕櫚のたわし


以前、棕櫚製たわしの産地として和歌山県海南市が広く知られていました。最盛期の昭和40年代には多くの生産者が良質な棕櫚たわしを製造していました。しかし現在では国内製造する会社は数社程度まで減少してしました。日本のいいもの.jpで販売している棕櫚製品を製造する「高田耕造商店」もその数少ない中の一社です。

棕櫚製たわしの拡大画像

13年程前、カワグチ企画では社長自ら国内で製造される棕櫚製のタワシを扱いたいという思いから多くの企業へ訪問を繰り返していましが、そのすべてが海外で製造されたパーム製で国内製造されている製品が見つかりませんでした。そんな折、出張帰りにフラっと立ち寄った東京有楽町にある和歌山県のアンテナショップでとても柔らかく、高品質なタワシを見つけました。これが高田耕造商店が作る棕櫚タワシとの出会いでした。

高田耕造商店が作る「棕櫚たわし」の特徴


棕櫚たわしの先端を拡大した画像

現在、日本国内で一般的に流通しているタワシの多くはパーム製、もしくは樹脂系素材でできています。それぞれに特徴や向いている用途がありますが、棕櫚の良さはその圧倒的な柔らかさにあります。

 

一般的な感覚でタワシをイメージすると固いという印象を持たれると思います。これはパーム製や樹脂系素材の感触が固いからだと思います。

 

しかし棕櫚製のタワシは体を洗っても痛くないほど柔らかく、肌を傷つけるようなこともありません。ちょうど「気持ちがいい」というくらいの洗い心地なのです。

棕櫚製の体用のたわし「ボディー束子」

日本のいいもの.jpで販売している「ボディータワシ」もこの棕櫚独特の柔らかさがあって初めて商品として成り立つわけです。

 

高田耕造商店では棕櫚以外の材料選びや製造工程も一つ一つ丁寧に行われているので繊維がボロボロ欠けたりするようなこともなくしっかりとしたつくりになっています。

 

 

また日常的に使用することを十分に考慮しているため、使った後に水が溜まらず乾きやすいように設計されています。また芯材にはサビに強いステンレス材を使用しています。タワシを一見しただけではわからない内部までこだわりが光っています。

棕櫚たわし作りの流れ


皆さん普段、当たり前のように使っているタワシですが、どういう構造でできているかご存知ですか??

誰でも束子を使っている中でなぜ繊維部分が簡単に抜け落ちないのか疑問に思ったことはありませんか??

 

タワシづくり下記のような工程で作られています。

  1. 棕櫚繊維の中から束子に適した部分を選定し、水きれの良さを考慮した量をステンレスの芯材の中へ均一に並べます
  2. 専用の機械を使って抗張力を保しつつねじっていきます
  3. ねじり続けることにより棕櫚繊維の両端が四方八方の放射状に向いた棒状のタワシが出来上がります
  4. 棒状のタワシをUの字曲げて芯材の両端を止めるとタワシの形になります

 

タワシの製造工程を簡単に説明しています。

「タワシづくり」と聞くと電動の大きな専用の機械で作られているようなイメージが先行しますが、意外にも手作業が中心なんですね。

この作業には棕櫚の量や並べ方、芯材の締め方など長年の経験が必要とされます。

 

①の作業では適度な量を均一に並べることがとても重要になります。

繊維の量が少なすぎると完成時に繊維が薄い部分ができてしまい、中の芯材が見えた状態になってしまいます。

このようなタワシは対象物を傷つけてしまったり傷めてしまうことにつながります。

逆に量が多すぎると繊維の密度が高すぎて実際に使用する際、水切れや乾きが悪い不衛生なタワシになってしまいます。

 

また繊維を均一に並べるのも非常に重要なポイントです。

繊維が不均一のまま②の作業に進んでしまうと最終的な捻じれた状態の芯材の隙がバラバラになってしまうため繊維の抜け落ちが多いタワシになってしまいます。

 

続く②の工程では長年の経験が必要とされる「適度な締め具合」が求められます。

経験のない人が作業をするとほとんどの場合、「適度な締め具合」がわからず締めすぎで芯材を切ってしまうようです。

 

なかなかタワシの良し悪しを考える機会はないかもしれませんが、丁寧に手作りされたタワシはこのような部分で違いが出てきます。

 

「掃除が終わって片づけをしようとしたらタワシ繊維のかけらがところどころに落ちていた!」

なんて経験はありませんか?

 

些細なことかもしれませんが「タワシのせいで本来であればやらなくていいはずの手間増えてしまった」ということになりますよね。

 

日常的に使用するものにおいてこのような些細なストレスの有無は使い勝手や作業効率に大きく影響します。

 

棕櫚のたわしで野菜の泥を洗い流している様子

家庭内の掃除であればそこまで気にならないかもしれませんが、仕事の現場では作業時間や商品への異物混入など作業効率だけでなく様々なリスクにつながる可能性があります。

 

高田耕造商店の棕櫚タワシは長年にわたって築いてきた信頼性からさまざまな業種のプロの現場で愛される続けています。

 

それは衛生面にシビアな飲食業界も例外ではありません。

 

各種メディアでも紹介されるような有名店でも広く愛用されており、まな板や調理器具はもちろん、棕櫚の柔らかさで食物繊維や旨味を損なわないという理由から野菜の泥落としにも使用されています。

棕櫚ほうき


高田耕造商店の棕櫚ほうきと塵取り
高田耕造商店の「棕櫚ほうき」と「塵取り」

タワシと並んで私たち日本人の生活に密接に関わる生活用品箒(ほうき)。ほうきも古くから棕櫚を材料として作られてきました。

 

タワシと同様に様々な用途向けに色々な素材で作られています。

 

棕櫚ほうきの大きな特徴としては束子と同様にその柔らかさと繊維の細さにあります。

しなやかな繊維はホコリを舞い上げない効果があり、部屋の隅々まで掃除することができます。最初は畳やフローリングなどの座敷箒(ざしきぼうき)として使用し始めます。その後摩耗が進んできたら次に土間や軒先、玄関などで使用し、最後には庭帚(にわぼうき)として使うことができます。

 

使い方次第では10~20年以上使うことができるアイテムなので結婚、出産、入学など、人生の節目から使いはじめるのも良いかもしれません。

 

 

棕櫚の再生に向けて


先にも少し触れた通り、現在の日本では管理、栽培されている棕櫚山はほとんどなくなってしまいました。

タワシ、ホウキの素材となる棕櫚の様子

棕櫚の木は管理されない状態が続くとタワシやほうきの材料となる樹皮が硬くなってしまい、製品に使用できなくなってしまいます。

 

管理された状態であれば年間10~12枚(1ヵ月に約1枚程度)採れますが、種をまきから樹皮が採れるようになるまでは最低でも14年の歳月を要します。また長期間管理されていない状態から元の状態に戻すためにも大変な労力と時間が必要になります。

 

そんな状況の中、高田耕造商店では「棕櫚産業が活気を取り戻すためにはまず棕櫚山が元気でなければならない」として長い道のりになることを承知の上、自ら棕櫚山に入り管理栽培を行っています。

 

まとめ


棕櫚製品の魅力や材料となる「棕櫚」を取り巻く状況などを紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

 

「タワシ」も「ほうき」も市場には様々な素材でできた製品が数多く流通しています。

用途やシチュエーションによってそれぞれに良さや使いやすさがあります。

その中で棕櫚製品には「長く使える」、「長く使いたくなる」魅力があるのではないかと思います。

 

「古くなったタワシを買い替えようかな・・・」

 

と思った方の選択肢の中に棕櫚製のタワシも入れていただけたら幸いです。

ぜひ機会があったら手にとってその優しい手触りを実感してみてくださいね。