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【秋田県:桜皮細工】有限会社 富岡商店

桜皮細工(樺細工)の魅力


 正倉院御物にもみられる桜皮細工、その歴史は古く万葉集や源氏物語でも賛美されています。

 

その伝統技術は長い年月を重ねながら1976年には秋田県で初となる伝統工芸品に指定されました。防湿・防乾に優れ、見た目の美しさだけでなく実用性も備えています。日常的に使用することにより、味わい深い質感と光沢が増していきます。

 

新品状態では未完成状態、正に使い込むほどに完成するというに相応しい逸品です。

1~2人にちょうど良い小型の茶筒
一人暮らしにちょうど良いサイズ感の小型サイズ

秋田県角館の「かばざいく」は、「樺細工」または「桜皮細工」と表記されます。旧来からは「樺細工」という表記が使われてきましたが、「白樺」を使った製品との誤解を招きやすいため、「桜皮細工」と表記するようになったそうです。

桜皮細工(樺細工)の茶筒の画像
桜皮細工を代表する製品「茶筒」お土産や贈り物など全国でも知られる定番のアイテムです。

有限会社冨岡商店


 1975年に秋田県仙北市角館町で創業し、桜皮細工(樺細工)の製造販売をはじめ絵画、骨董品、美術工芸品の販売なども手がける会社です。有限会社冨岡商店は国指定伝統的工芸品である桜皮細工(樺細工)の製造元として、世界に類を見ない一属一種ともいうべきクラフトの価値を国内は元より広く世界に発信し、「一生に一つ」使い続ける豊かさを通じて、人々の潤いある生活に貢献できる企業を目指しています。

 

桜皮細工の工程


1: 樺削り

材料である山桜の皮を、つくるアイテムの大きさに合わせて裁断し、水で湿らせた後、

熱したコテをあてながら柔らかくします。表面を幅広の包丁で削り色を均等にしながら光沢を出します。

2: にかわ塗り

加工がしやすいように薄く削った樺ににかわを塗り乾燥させます。

3: 仕込み「仕込みの段取り」

木型に巻きつけて200度位に温めたコテを押しつけながら円筒状にし、3枚重ねて原型をつくります。

4: 仕込み「内樺入れ」

「3」で作った原型の内側ににかわを塗り、樺を貼りつけます。

5: 仕込み「口樺作り」

茶筒の蓋を外した際に見える胴体の口部分に使用する口樺、 にかわ塗った樺を

ちょうど良い大きさに裁断し、原型より一回り小さな経木に巻きつけます。

6: 仕込み「口樺着せ」

「5」で作った「口樺」を「4」の内側に貼り付けます。

7: 貼り付け「蓋と芯の切り離し」

蓋部分と胴体部分に分けるため、小刀で切り離します。

8: 貼り付け「胴貼り」

胴体部分ににかわを塗り、コテを使いながら樺を巻きつけていきます。 コテを水につけて樺が焦げない温度を判断しながら、

何度も押し付けて経木になじませます。微妙な熱加減が難しく職人の経験と技が必要とされます。

9: 貼り付け「天盛り」

茶筒の天面と底面の加工をします。小刀で削ってカンナをかけながら縁をならします。 胴体と同様にかわとコテを使って樺を貼りつけます。 天が終わったら、底の部分も同様に加工します。

10: 仕上げ

樺の表面に光沢を出すための磨きの工程です。まずサンドペーパーが6段階。

徐々に細かいものにしていきます。 次にとの粉で磨き、最後に鬢つけ油で仕上げます。


 

角館の桜皮細工は、江戸時代の中期天明年間(1781~88年)に、角館を拝領していた佐竹北家家臣団の一人、「藤村彦六定継」によって創始されたと伝わっています。それから長いときを経て、物資不足の終戦直後をピークとして、一時期角館の「樺細工(桜皮細工)」は大きく衰退しました。ですが1965年頃に至り再びブームを迎え、1976年に秋田県では最初の、国の「伝統的工芸品」に指定され、今日に至っております。樺細工(桜皮細工)は「一属一種」の、世界に類例を見ない工芸品として、また、自然素材の美しさ、温かさが愛され、国際的に評価されています。